補足解説③...塩の濃度について

2016.4.3

だいぶ遅れましたが、『病気がうつると言うこと。…その②』で羅列した塩の濃度に関する補足説明です。...簡易的こなれ水に最も必要なアイテムは塩だと思いますが、..魚の体液は塩のミネラル換算で0.85~0.9%と言われています。実際、どうしても調子が出ない場合は0.85%前後にすると改善する事が多いようです。あわて物の私..たまに追加の塩の分量を間違えて「ゲゲ~1.0%以上になってる~」なんて事もありますが、元々弱っていない限り平気です。..塩を強めにしたら魚が鼻上げして弱ったと言うお客様がいらっしゃいますが、私の20年間の業務経験で塩は何百回か色々な場面で使用していますが、一度も塩を強めに入れたら弱ったと言うことは有りませんので不思議です。正確な塩分濃度計で管理されていればだいじょうぶだと思いますが?...濾過槽や容器にドロが溜まっていたり、過密飼いで魚の滑りが多かったり、容器表面のコケが多かったりの状況下、塩の剥離効果で水を痛めてしまったか、既に鰓病などが重症化していてチョトした刺激でも耐えられなかったか、..塩の濃度そのものが原因ではないのでは...と思いますが??...また、塩を強く入れると魚の体質が弱くなると言われる方もいらっしゃいますが、調子がでたら完全に塩抜きすれば過保護になるとは思わないのですが?..考え方は様々で良いと思います。....前置きが長すぎましたが、当店の予防濃度基準が0.6%~0.7%の理由です。..私達のデータで、ソフトリセットしか出来ていない池や水槽から別の池や水槽への魚移動時に、0.3~0.5%程度の予防濃度では、5割前後の安全確率(10回中に5回程は風邪をひく等の体調不良を確認)しか確保できないのですが、0.55%にするだけで急に7割以上の安全確率が確保出来る様になります。そこから上0.9%に向かって濃度を高くすればする程、安全確率は高くなりますが、費用や塩抜きの手間を考慮し0.6%~0.7%程度を内部基準にしています。この先、更に魚達が綺麗になり弱くなると基準が変わるかもしれませんが、...この辺で念のためいつもの言い訳です。私がブログでお話しさせて貰う内容は、鵜呑みにしないで下さい。ある程度の経験と各種データを持っているとは言っても、全ての環境条件に適合するアドバイスを簡単に表現する事は不可能です。塩の使用方法(塩抜きのペース配分も含め)にしても10の池や水槽があれば10全て違うと言っても過言では無いので、なかなか難しいと実感しています。やはり、基本的には個々のお客様の環境条件によってふさわしアドバイスを探りあてるべきだと考えますので、ご来店の上ご相談下さい。....輿水透

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